犬のしゃっくりの5つの原因や止める方法について

犬は、まれにしゃっくりする様子を見せる場合があります。犬のしゃっくりは、人間にもあることなのでスルーしてしまいがちですが、しゃっくりがなかなか止まらない場合やしゃっくりの様子がおかしいと感じたら、見逃してはいけない病気が隠されているケースもあります。
そこで、犬のしゃっくりの5つの原因、犬のしゃっくりから考えられる病気、そしてしゃっくりを止める方法についても紹介します。
知りたいことはありますか
犬のしゃっくりはどうやって起こるの?
私たち人間でも経験するしゃっくりですが、犬のしゃっくりのメカニズムは人間と同じで、肺の呼吸運動を助ける横隔膜が痙攣することで起こります。
これは、体内にたまったガスを減少させる<不随意収縮(ふずいいうんどう)>と呼ばれる現象です。
つまり、体の中に溜まっているガスを体外に放出するものです。
犬のしゃっくりの5つの原因とは
横隔膜の痙攣で起きる犬のしゃっくりには、大まかに次の5つの原因が考えられます。
餌を食べる時間が早い
犬のしゃっくりが起こってしまう原因に、もっとも多いとされているのは食事です。
犬が餌を食べる時間が早くよく噛まずに餌を食べると、何らかの刺激が横隔膜に伝わります。
その刺激が横隔膜に伝わることで、呼吸をするリズムが乱れてしまいひどい状態だと痙攣を起こしてそれがしゃっくりの症状として表れます。
愛犬が早食いするようなら、餌の量を数回に分けて食べさせるなど工夫が必要です。
犬の餌の量や硬さが合わない
食事をする時によく噛まないと、横隔膜に何らかの刺激が加わりしゃっくりになりますが、犬の餌の量や硬さがあわないと、よく噛むことができないことからしゃっくりの原因につながることもあります。
この場合も食事の量を数回に分けて与えるか、餌を小さめのタイプにするかウェットタイプの餌にしたりしてみましょう。
水分を加えてふやかすのもいいですよ。
ストレスや不安症によるもの
食事以外の原因として、ストレスや不安症によるしゃっくりの場合もあります。
これは、ストレスや強い不安症があると、交感神経が過剰に緊張してしまうことからしゃっくりを誘発します。
どこにストレスや不安を感じているのか、運動不足はないかなど飼い主さん側で考えてあげてみてください。
異物を飲み込んでしまった
犬のしゃっくりには、異物を飲み込んでしまったことが原因の場合もあります。
異物が消化されなければ、胃酸と共に逆流が起こり、それが刺激となりしゃっくりになります。
この場合は、異物を吐き出させるか、吐き出せない場合は動物病院に連れて行きましょう。
寄生虫による消化不良によるもの
異物と同じく、寄生虫による消化不良でも犬のしゃっくりの原因になります。
さらに、寄生虫が繁殖すれば胃炎などを発症しやすく嘔吐するケースもあります。
寄生虫による消化不良なら、動物病院に連れて行って取り除いてもらう必要があります。
犬のしゃっくりから考えられる病気について
犬のしゃっくりが一時的なものであれば心配いりませんが、しゃっくりを頻繁に起こしたり、なかなか止まらない場合は病気の可能性もあります。
犬のしゃっくりから考えられる病気は
<呼吸器系疾患>→肺炎・喘息
<循環器系疾患>→心臓病・心臓肥大・心膜炎
<消化器系疾患>→胃捻転・寄生虫・回虫
他にも、脳卒中・てんかん・逆くしゃみなどもあります。
犬のしゃっくりがなかなか止まらない場合は、危険な病気にかかっている場合もあるので、毎日続くようならすぐに病院を受診しましょう。
こんな時のしゃっくりは大丈夫なの!?
犬のしゃっくりは、それほど苦しさは感じないといわれていますが、それでもこんな時のしゃっくりは大丈夫なの?と判断に悩むしゃっくりもあります。
睡眠中の犬のしゃっくりは?
睡眠中の犬のしゃっくりは、夢を見ていたり寝言としてのしゃっくりと考えられます。
日中は、しゃっくりがなく睡眠中だけなら基本的に心配ありません。
しゃっくりをしながらの嘔吐は!?
犬がしゃっくりをしながら嘔吐してしまった場合は、餌の量に問題があるか内臓に関わっている可能性があります。
餌の量を変えても、しゃっくりしながら嘔吐する状態なら、内臓に何らかの疾患があるかもしれません。すぐに動物病院を受診してください。
しゃっくりがなかなか止まらない時は?
犬のしゃっくりがなかなか止まらない場合は、病院へ連れて行くことをおすすめしますが、しゃっくりは、呼吸のリズムが関係しているので、呼吸のリズムを変えてあげることで治まることもあります。
具体的な方法は、次の章で紹介します。
犬のしゃっくりを止める5つの方法について
犬のしゃっくりを止める方法は、人間がしゃっくりを止める方法と同じといえそうです。
では、具体的にしゃっくりを止める5つの方法を見ていきましょう。
驚かせる
しゃっくりは呼吸のリズムと関係しているので、人と同じく犬を驚かせて呼吸のリズムを変えてあげるのが効果的です。
ただ、あまり強く驚かせてしまうと、逆に犬のストレスになったり飼い主さんを嫌ってしまう可能性も出てくるので、驚かせるのは1回程度にしておきましょう。
水を飲ませる
犬のしゃっくりを止める方法として、呼吸のリズムを変えるために水を飲ませるのも有効です。
注意するのは、吐き気を伴うしゃっくりの場合は、無理に水を飲ませるとむせてしまうこともあるので、犬の様子をしっかり見て水を与え過ぎないようにしましょう。
鳩尾を軽く押したり擦ったりする
犬のしゃっくりは、犬の鳩尾(みぞおち)を軽く押したり擦ったりする方法でピタッと止まる場合もあります。
鳩尾は、胃と肋骨の間で、そこを手の平で軽く押さえたり擦ったりしてみます。
鳩尾を押す時は、犬の体を起こした状態でやるとしゃっくりが止まりやすいです。
おやつを挙げる
おやつをあげて呼吸のリズムを変えるのも、犬のしゃっくりを止める方法としておすすめです。
おやつをあげて気をそらすことで止まることもあるようです。
運動をさせる
犬のしゃっくりは、精神面のストレスや疲労などから呼吸が崩れることが原因になる場合もあるで、運動をよくさせることとスキンシップをたっぷりしてストレスを解消させてあげることもしゃっくりを止める方法につながります。
運動不足で体脂肪が増え肥満になると、呼吸器が圧迫を受けてしゃっくりになっていることも可能性としてはあります。
適度な運動とたっぷりのスキンシップで、犬の健康と安定した精神状態をキープしてあげましょう。
まとめ
しゃっくりは、可愛いと思って見過ごしていい場合と、病気が隠れているケースもあるので見極めが難しいですが、心配であれば検診もかねて動物病院に相談するのが一番です。
では、この記事で紹介した内容を振り返っておきます。
☑しゃっくりは、横隔膜が痙攣することで起こる
☑犬のしゃっくりの5つの原因
・餌を食べるのが早くよく噛まずに食べることで、何らかの刺激が横隔膜に伝わる為
→餌の量を数回に分ける
・餌の量や硬さが合わない。
→食事の量を数回に分けるか、餌を小さめのタイプか、ウェットタイプに餌にする
・ストレスや不安症によって交感神経が過剰に緊張する為
→運動不足はないか、ストレスや不安の原因を見極める
・異物を飲み込んでしまった
→異物を吐き出させるか、動物病院へ
・寄生虫による消化不良
→動物病院へ
☑犬のしゃっくりから考えられる病気
・肺炎・喘息・心臓病・心臓肥大・心膜炎・胃捻転・寄生虫・回虫・脳卒中・てんかん・逆くしゃみなど
☑犬のしゃっくりを止める5つの方法
・驚かせる
・水を飲ませる
・鳩尾を軽く押したり擦ったりする
・おやつをあげる
・運動をさせる
一時的なしゃっくりだったとしても、その後の様子を観察して愛犬の健康を守ってあげましょう。