犬にも卵アレルギーがある!?卵をあげる時の注意点について

私たちが食べるものには、卵がたくさん使われています。
卵は栄養価も高く人間の食生活には大切な栄養素です。
では、犬にとってはどうでしょうか?
人間でも卵でアレルギーを起こす人もいるので、犬でも卵によるアレルギーが起こす場合があるのか、飼い主さんなら知っておきたいですよね。
そこで、犬にも卵アレルギーがあるのか、卵をあげる時の注意点などについて紹介していきます。
知りたいことはありますか
犬に卵を与えても大丈夫!?
卵は、どの家庭の冷蔵庫にも常備されている食材の一つといえますよね。
卵は栄養価も高く、どこでも手に入れやすく価格も安いものです。
卵には、免疫力を高める優秀な食材として、必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
さらに、高たんぱくで低カロリー、筋肉や血液を作る大切なエネルギーの元になるものです。
これだけの栄養素を含む卵は、栄養価では優秀な食材ではありますが、これが犬に食べさせるとなった場合は注意が必要です。
犬に卵を与えていいかどうかは、条件付きといえるかもしれません。
つまり、卵をどのような状態で与えるかです。
生卵は与えてはいけない!
一般的に、犬には生卵は与えてはいけないといわれています。
私たちは、生卵をご飯にかけたり牛丼などにかけて食べたりしますが、この生卵を犬に食べさせると健康を損なう恐れがあります。
特に、生卵の白身には、たんぱく質(塩基性糖たんぱく質)の「アビジン」が含まれています。
この「アビジン」呼ばれる成分は、卵の黄身に含まれているビタミンB7のビオチンの吸収を妨げる作用を持っています。
もし、アビジンの働きでビオチンの吸収が妨げられることが続いてしまうと、免疫の低下や脱毛などが発生してしまう可能性があります。
それに加えて、たくさん食べてしまうとビタミンバランスの崩れを招いて、それが犬の下痢になってしまう可能性もあります。
では、犬に卵を与える時はどうしたらいいのでしょうか?
卵に含まれるアビジンは、熱に弱い性質を持っています。
要するに、加熱をすればアビジンの効力がなくなります。
また、生卵の場合は、サルモネラ菌などの食中毒の危険性も十分考える必要があるので、犬に与えるなら熱を通した方が安全とされています。
このような理由から、卵を与えるなら加熱した卵が良いでしょう。
もしも、生卵を食べてしまった時は!?
万が一、生卵を落としたことで白身を盗み食いした場合、その時だけならまず問題はありません。
毎日食べるわけではないのなら、心配はそれほど必要ないです。
ただ、犬によってはちょっと食べただけでも、まれに下痢をする可能性はあります。
先ほども紹介したように、白身だけを食べた場合の影響を比べると、黄身にはビオチンが豊富に含まれているので一緒に食べたとしても影響少ないと考えられていますが、子犬や老犬の場合は、黄身だけであっても、お腹を壊すなど下痢になってしまう可能性があるので与えないようにしましょう。
与えてもいい卵の量は!?
栄養価の高い卵ですが、コレステロールの量は卵1個あたり250mgと高いです。
与え過ぎると太る原因になります。
特に、犬がドックフードを食べているなら、カロリーオーバーになる可能性もあります。
さらに、高脂血症の犬、血液中の中性脂肪値の高い犬に食べさせる時には、量をコントロールする必要もあります。
犬種や体重によっても異なりますが、はじめは、週に1~2回程度ゆで卵を1/2ほど与えるのが目安です。少量の卵をトッピングする程度にしましょう。
犬が卵を食べる効果や栄養について
犬が卵を食べることでの効果は、卵に豊富に含まれる栄養素です。
卵には、エネルギーの元になるタンパク質に加えて、脂質、ビタミンA・B2・B12・B6、ビタミンE、ミネラル、他にも、コリン、レシチンなどの栄養素もバランスよく含まれている食材です。
ゆで卵にすると、ビオチンはアミノ酸の代謝を助け、ブドウ糖のリサイクルから脂肪酸の合成まで、酵素の働きをサポートする役目も果たしてくれます。
さらに、皮膚炎を予防する作用もあることから、アレルギー性皮膚炎を患っている犬でも良い効果をもたらすのではないでしょうか。
また、卵に含まれるビタミンB2は、臓器や皮膚の粘膜を丈夫にする働きや、ビタミンB12に赤血球の合成を助ける作用もあります。
ビタミンやミネラルがもたらす効果や作用などは、まだ解明されていない点も多くありますが、言えることは、健康な体を維持するには、必要な栄養素をバランスよく摂ることにあります。
このような意味からも、卵は手軽に摂れる栄養素になります。
犬にも卵アレルギーがある!?
これだけの栄養素を含む卵ですが、犬にも卵アレルギーがあります。
もしくは、卵を食べることでアレルギーが悪化してしまうケースもあります。
アレルギーは、アレルギーの原因になる成分や物質に、体が過剰に反応して、主に皮膚のかゆみなどが起こります。
犬のアレルギーは、特に耳にかゆみがあらわれるので、外耳炎を起こしているようなら犬のアレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。
アレルギー症状には他にも、充血や目のかゆみ、嘔吐、下痢、顔や胸、足の付け根などにかゆみが出ます。
もし、卵を食べてこのようなかゆみの症状がでたら、その原因は卵アレルギーの可能性があるので要注意です。
犬に卵を与える時の調理方法
卵は、加熱すると卵白に含まれるアビジンの効力がなくなります。
なので、調理方法は、ゆで卵でも、スクランブルエッグ、卵焼き、目玉焼きなどが適しています。
ただし、加熱しすぎて固ゆで卵などにすると、生卵のように消化が悪くなるので卵黄が半熟ぐらいにしましょう。
半熟ぐらいが栄養面でもベストな調理方法です。
どの犬種にも与えていいの!?
卵は、どの犬種に与えてもいいかどうかは断定しにくいです。
犬にはアレルギーの発症率が高い犬種が存在しますが、発症確率が高いからといって必ず発症するというわけでもありません。
どの犬種にも与えていいかよりは、その犬の体質など様々な要因が関係してきます。
愛犬がいったいどんな体質なのか、獣医師に相談するなどして家でも皮膚や被毛をチェックしたり、かゆみなどが出ていないか定期的にチェックすることをおすすめします。
まとめ
卵は、犬に与えることはできますが、生卵ではなく必ず加熱をするということが重要です。
ただ、体に良くても与えすぎには十分注意してください。
では、この記事をもう一度おさらいしておきます。
☑犬に卵を与えても大丈夫か?
・生卵は与えてはいけない
・卵を与えるなら火を通した卵が良い
・生卵を食べてしまった時は、盗み食いした程度なら問題なし
・週に1~2回程度ゆで卵を1/2ほど与えるのが目安
☑卵は、健康な体の維持のための栄養素をバランスよく含んでいる
☑犬にも卵アレルギーがある。
・犬のアレルギーは、特に耳にかゆみがあらわれる
・充血や目のかゆみ、嘔吐、下痢、顔や胸、足の付け根などにかゆみが出る
☑アレルギーの発症率が高い犬種が存在するが、必ず発症するわけではない。犬の体質や様々な要因が関係する
愛犬の健康を守るには、愛犬がどんな食材に反応してしまうのかも、日頃の食生活の中でしっかりチェックしておきましょう。