犬が玉ねぎ中毒の症状や応急処置について。食べたら危険な量は!?

犬に玉ねぎを食べさせることは厳禁であることは、飼い主さんならよくご存じですよね。
玉ねぎは犬が食べてしまうと、玉ねぎ中毒を起こしてしまうことがあるからです。
でも、食べさせるつもりはなくても、誤って犬が食べてしまったということもあると思います。
そこで、犬が玉ねぎを食べた場合、玉ねぎ中毒の症状はどんなものなのか、危険な量はどのぐらいなのか、また、犬が玉ねぎを食べた時の応急処置などについてお話しします。
知りたいことはありますか
犬のたまねぎ中毒の症状
犬が、誤って玉ねぎを食べたことで玉ねぎ中毒を起こした場合の症状は、大きく分けると主に貧血と血尿で次のような症状を見せます。
・貧血を起こす
・眼の結膜が白くなる
・血尿が出る
・歩行が安定しない
・元気がない
・発熱
・嘔吐
・下痢
他には、震えがきたり痙攣したり、血便や吐血などの症状があり場合によっては、命を落とすケースもあります。
また、時間の経過と共に症状がどんどん悪化していくので、飼い主さんが早い段階で気づいてあげることが重要になってきます。
症状はいつ頃でる!?
玉ねぎ症状は、実は、食べた後にすぐ現れることはほとんどありません。
玉ねぎ(ネギを含む)中毒の症状が出るのは、約2日~3日ほど経過してからです。
したがって、愛犬が食べたことがわかっている場合は、玉ねぎを食べた後の数日は、注意深く様子や症状を観察するようにしてください。
特に、目の状態や心臓の鼓動、排泄物も注意を払うようにしてください。
犬がたまねぎを食べたらいけない理由は!?
犬が玉ねぎを食べたらいけないといわれる理由は、玉ねぎに含まれる成分にあります。
玉ねぎを含む、長ネギ、青ネギ、ニンニク、ニラ、わけぎ、あさつき等のネギ類には、ネギ独特の匂いがしますよね。
この匂いは、薄黄色の液状のもので「アリルプロピルジスルフィド」という有機硫黄化合物といわれる成分です。
ネギ類にはこの成分が含まれています。
この「アリルプロピルジスルフィド」は、犬をはじめとする動物の赤血球内の酸素を結合する色素の「ヘモグロビン」を酸化させる作用があります。
その結果、溶血性貧血という貧血を起こします。
それが玉ねぎ中毒です。
犬が玉ねぎを食べてしまった時の応急処置方法
もし、犬が玉ねぎを食べた場面を目撃したり、食べたことがわかったら主に吐かせることで応急処置ができます。
吐かせる応急処置には、大まかに3つの方法があります。
応急処置をする前に、一つ注意する点があります。
もし、愛犬に肝臓や臓器に問題がある病気を患っているような場合は、応急処置で悪化させてしまう可能性があるので絶対に避けてください。
①食塩を飲ませて吐かせる
食塩を飲ませて、大量に水を飲ませて吐かせるように促します。
スプーン1杯~7杯程度の塩を犬の下の上にのせると、勝手に食べてくれるはずです。
ただし、食塩にも「塩中毒」があるので十分注意してください。
②オキシドールを飲ませて吐かせる
オキシドールを薄めたものを飲ませて胃の中に酸素を発生させ吐かせるのも一つの方法です。
オキシドールの量は、体重5kgに1cc程度をスポイトなどを使って、口の端から注いでいきます。
軽く犬の口をふさいで上を向かせれば自然と飲むはずです。
オキシドールは、ドラッグストアなどで購入することができますが、家にあるものでも開封済みの物は、嘔吐作用が弱くなるので注意してください。
ただし、犬の胃にもともと傷があったりする場合は、傷が悪化してしまう可能性があるのでこの場合はおすすめできません。
③ガーゼなどで犬の歯の隙間を丁寧に拭く
吐かせるわけではないですが、ガーゼなどで犬の歯の隙間を拭いて玉ねぎのエキスを取り除くこともできます。
水で濡らしたガーゼなどで丁寧に拭いてあげます。
動物病院で玉ねぎ中毒の治療を行う場合
仮に、玉ねぎを食べた後すぐに応急処置をしたとしても、念のために動物病院に行くことをおすすめします。
場合によっては、数時間後に玉ねぎ中毒の症状が出る場合もあるので、動物病院で診察してもらいましょう。
そこで、動物病院で玉ねぎ中毒の治療を行う場合、どんな治療方法があるのかをお話ししますが、動物病院に行く前に、どんな状態の玉ねぎを食べたのか、玉ねぎの大きさや食べた量や、食べた時間などをしっかり説明できるようにしておきましょう。
動物病院での治療は、このような情報が治療の目安になります。
①治療内容
動物病院での治療法は、解毒剤などの根本的に治療方法はありません。
一般的に玉ねぎ中毒の治療は対処療法です。
対処療法では、ビタミン剤、利尿剤、強心剤などを投与して嘔吐を促したり胃の洗浄を行うなどの治療が施されます。
ただし、食べた玉ねぎの量、犬の大きさや食べてからどのぐらいの時間が経過しているのかでも治療内容が異なります。
玉ねぎを食べたのが、60分以内の場合で、まだ中毒症状が出ていないのであれば吐かせるように促します。
もし、食べてから2~4時間以内なら、胃を洗浄したり、塩類下剤の投与をする場合もあります。
貧血の症状が見られる場合は、輸血になることもあります。
②費用はどれくらい!?
玉ねぎを中毒を起こしてしまった時の費用については、その症状によっても異なることから一概にはいえません。
例えば、治療後も治療が必要になったり、入院が必要になる場合もあります。
症状が重症なのかにもよることと、動物病院によっても必要な処置が異なるので、どのぐらいの費用がかかるのか断定できません。
動物病院は、一度の治療で1万円近くにもなることがあれば、2万円以上の費用がかかることもあります。
ペットを飼うと、思いもよらない事故や誤飲などトラブルもあることを理解して、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。
まとめ
玉ねぎはコロッケや餃子など様々な料理に使われています。
日頃から十分に注意をして誤飲させないように注意したいですね。
では、ここで紹介した内容を振り返っておきます。
☑犬のたまねぎ中毒の症状
・貧血を起こす
・眼の結膜が白くなる
・血尿が出る
・歩行が安定しない
・元気がない
・発熱
・嘔吐
・下痢
・痙攣
・血便
・吐血
☑症状は、約2日~3日ほど経過してから出る
☑玉ねぎの成分が玉ねぎ中毒を起こす
☑犬が玉ねぎを食べてしまった時の応急処置方法
・食塩を飲ませて吐かせる
・オキシドールを飲ませて吐かせる(未開封のもの)
・ガーゼなどで犬の歯の隙間を丁寧に拭く
☑動物病院で玉ねぎ中毒の治療方法
・食べてから60分以内:吐かせる
・食べてから2~4時間以内:胃洗浄、塩類下剤の投与
・費用は、症状や必要な処置で異なる
台所などは、野菜くずを落としやすいので、飼い主さんもこまめに掃除をするなど工夫していきましょう。
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