犬のてんかんの薬の種類や副作用について。飲み忘れた時は!?

犬のてんかん発作はいつ起きるかわからないため、薬で発作をコントロールする治療が行われるそうです。
てんかんの薬には様々な種類があり、副作用も薬によって異なります。
しかし、どの薬がどのように作用し、どんな副作用があるのかわかりにくいと言われています。
そこで今回の記事では、犬のてんかんの薬の種類や副作用について説明したいと思います。
知りたいことはありますか
犬にてんかんの薬を飲ませることは大切!?
犬のてんかんは、普段は何の問題もなく健康に過ごしている犬であっても突然発作が起こり、発作の後は普段通りに戻ることが多いそうです。
また、発作後に詳しい検査を行っても原因が特定できないことが多い病気だと言われています。
そのため、連続して発作が起こらない場合は治療を行わないという飼い主もいるそうです。
しかし、てんかん発作はいつどんな理由で起こるのかわからず、また発作のたびに脳には何らかのダメージがあり、それが蓄積されると次に発作が起きた際によりひどいダメージになると言われています。
こういった理由から、てんかん発作を起こした場合は次の発作を起こさないようにする治療が必要だと考えられ、一般的には抗てんかん薬で発作をコントロールする治療を行うそうです。
この抗てんかん薬による治療は、何度も発作を起こしてから始めるよりも、初期の内に始めたほうが発作のコントロールが上手くいくことが多いそうです。
そもそもてんかんという病気は完治することがないと言われ、薬で病気をコントロールすることで生活の質を維持していくのが大切だと考えられています。
犬のてんかんの薬の種類と副作用について
犬の抗てんかん薬には様々な種類があり、人間の抗てんかん薬と共通しているそうです。
また、長期にわたって服用する必要がありますが、副作用があるため注意が必要です。
副作用には、飲み始めの初期の頃に出るものと、長期に飲み続けた場合に出るものがあるとされています。
フェノバルビタール
犬のてんかん治療に多く用いられるのがフェノバルビタールで、商品名フェノバールと言い散剤、錠剤、注射薬があるそうです。
てんかん治療の開始時に処方されることが多い薬で、中枢神経を抑制し興奮を鎮める効果があると言われています。
人間の薬としても長く使用されていたそうですが、より使いやすい薬が出て来たため、てんかん治療に使用されることは少なくなったそうです。
この薬は治療域と毒性域が近いため投与量の調整が重要で、過剰投与すると深刻な肝障害が起こる危険性があり、投与後の血中濃度の測定も重要だとされています。
また、この薬は単独で使用されますが効果が見られない場合でも増量されることはなく、他の薬を併用するそうです。
この薬は初期副作用として抑うつ状態、沈静、ふらつきなどがあり、過眠、上手く歩けない、足がもつれるなどの異常が見られることがあるそうです。
こういった初期の副作用は薬に慣れる2週間程で落ち着くと言われていますが、服用を続けていくと今度は長期副作用が現れるとされています。
長期副作用の症状としては、動きが鈍い、食欲亢進、多尿などがあり、尿失禁、肥満につながる可能性があるそうです。
さらにこの薬には依存性があり、急に薬を止めると離脱症状としてひどい発作が起こる可能性があると言われています。
また、併用禁忌の薬があるため、薬の併用や変更の際には獣医師の指示通り慎重に行う必要があります。
フェニトイン
フェニトインは、部分発作や重責発作時の注射薬として使用されることが多いそうです。
副作用として、眠気やふらつき、歯茎の腫れなどが見られると言われています。
カルバマゼピン
カルバマゼピンは部分発作に多く用いられ、全般発作への使用は悪化させる恐れがあるそうです。
また、併用すると他の薬の血中濃度を低下させてしまうことがあると言われています。
副作用としては、眠気ふらつきなどが見られるそうです。
臭化カリウム
臭化カリウムは人間の薬としても使用されている安全な薬で、フェノバルビタールで効果が見られない場合に併用することが多いと言われています。
また、肝臓に問題がありフェノバルビタールを使用できない場合に、単独で使用することもあるそうです。
副作用として嘔吐、胃粘膜刺激、食欲亢進、多尿がありますが、基本的にはこの薬は肝臓への負担も少ない安全な薬だと言われています。
ただし、服用後効果が現れるまでに時間がかかるそうです。
ゾニサミド
ゾニサミドは、商品名エクセグランとして人間用の抗てんかん薬に、商品名トレリーフとして人間用のパーキンソン治療薬にも使用されているそうです。
この薬は日本で開発され、難治性のてんかん発作のコントロールにも効果が得られるとして、フェノバルビタールに代わる抗てんかん薬の主流になるのではと考えられています。
またこの薬は副作用がほとんどなく、単独で充分にてんかん治療が可能だと言われています。
まれに見られる副作用として、スルホンアミド系薬剤に対する過敏症、嘔吐、軽度の鎮静、ふらつき、ふるえ、食欲低下などが見られる場合がありますが、数日で落ち着くことが多いそうです。
ただし、骨髄抑制を起こすことがまれにあり、再生不良性貧血や無顆粒球症などの副作用が起こる可能性もあるそうです。
ジアゼパム
ジアゼパムは商品名セルシンやホリゾンとして、胃カメラの前処置に使用されることもある用途の広い人間用の鎮静薬です。
この薬は抗不安薬として即効性があるため、てんかん発作時の緊急処置の注射薬として用いられることが多いそうです。
また、商品名ダイアップ座薬として発作時の座薬に処方されることもあると言われています。
副作用としては、鎮静ふらつきなどがあり、呼吸抑制に特に注意が必要です。
また、長期使用は依存性や耐性が生じやすいため、短期に使用されることが多いそうです。
クロナゼパム
クロナゼパムは商品名リボトリール、ランドセンと言い、ジアゼパムと同じ系統の抗てんかん薬です。
ジアゼパムよりも作用時間が長いですが、同じように長期使用には依存性や耐性が生じやすいため、短期に使用することが多いそうです。
ガバペンチン
ガバペンチンは吸収が良く、血中濃度が上がりやすい治療抵抗性のてんかんに用いられることが多いと言われています。
作用期間が短く、投与の頻度が多くなる問題があるそうです。
また副作用として鎮静化が起こりやすく、意識レベルの低下が多く見られると言われています。
レベチラセタム
レベチラセタムは商品名イーケプラという抗てんかん薬で、他の薬との併用、部分発作に対する単独使用に効果があると言われています。
この薬は即効性があるため、速やかに作用させたい場合に用いられることが多いそうです。
副作用としては、嘔吐、よだれ、軽い鎮静が見られることがあるとされています。
犬のてんかんの薬をやめてしまったらどうなるの!?
抗てんかん薬はてんかんを治す薬ではなく、発作をコントロールし脳へのダメージを抑制する目的用いられ、てんかんが起こりにくい状況を維持するために飲み続ける薬だと言われています。
そのため、薬を突然やめてしまうと薬で抑えられていた電気的ショートが一気に広がり、重い重責発作が起こり命に関わる危険もあると言われています。
犬の転換の薬を飲み忘れてしまった場合は!?
前述のように抗てんかん薬はてんかんが起こりにくい状況を維持する薬ですので、飲み忘れにより血中濃度にばらつきが生じると発作が起こりやすい状況になることがあると言われています。
何らかの理由で薬の量を減らす場合でも、獣医師の指示に従い1~2か月の時間をかけて少しずつ減らしていく必要があるそうです。
犬のてんかんの薬が効かない場合はある!?
抗てんかん薬を勝手に止めてしまったり、飲み忘れがあったりすると発作が起こりやすくなり、さらに、それまでの薬が効かなくなることもあると言われています。
抗てんかん薬は基本的に一生飲み続けることが必要だと言われていますので、飲み忘れなどの薬の服用に関しては獣医師の判断を仰ぐことが大切です。
まとめ
犬のてんかんは突然起こり、その後何もなかったのかのように元気になることもあるため、薬の長期使用に不安を覚える飼い主の方も多いようです。
しかし、てんかんは完治することがないため、発作が起こらないようにコントロールすることが重要です。
薬を飲んでいない場合、発作によって脳に取り返しのつかないダメージが起こることも考えられます。
そのため、一度でもてんかん発作がおこったら、動物病院を受診し、獣医師に相談することをお勧めします。
それではここで、今回の記事をおさらいしたいと思います。
☑犬のてんかんは、薬で発作をコントロールすることが大切
☑犬の抗てんかん薬は人間用と共通し、それぞれ副作用がある
☑フェノバルビタールはてんかん治療に多く用いられてきたが、重い副作用があるため、現在はあまり処方されない
☑フェニトイン、カルバマゼピンは部分発作に多く用いられる
☑臭化カリウムは肝臓への負担が少ない安全な薬で、フェノバルビタールが使えない場合や効果が見られない場合に用いられることが多い
☑ゾニサミドは効果が高く副作用が少ないため、フェノバルビタールに代わる薬として多く用いられる
☑ジアゼパム、クロナゼパムは即効性があるため、緊急時に多く用いられる
☑ガバペンチンは治療抵抗性のてんかんに多く用いられる
☑レベチラセタムは他の薬と併用されることが多く、即効性があるため速やかに作用させたい場合に用いる
てんかん発作が起こって場合一番つらいのは愛犬です。
愛犬を守るために、早期に治療を開始するようにしましょう。