犬の体温が低いのはなぜ!?原因や症状、対処法について

犬の体を触ると、熱いと感じるほど体温が高いですよね。
でも、犬でも体温が低い場合があります。犬の体温は、体調不良のサインであることも多いので、体温が低い場合でも要注意です。
犬は、暑さに弱く体温が熱いイメージがありますが、だからこそ体温が低い状態に気づきにくいともいえます。
そこで、犬の体温が低い原因は何か、体温が低い時の症状や対処法についてまとめました。
知りたいことはありますか
犬の体温はどれくらいから低いの!?
犬の平熱の平均は、38.5~39.5度といわれています。
これが犬の平熱の正常範囲の数値です。
犬の平熱は、小型犬や子犬ならもう少し高い傾向があり、大型犬や老犬なら少し低くなります。
では、犬の体温はどれくらいから低いと言えるのでしょうか。
犬の体温が低いといわれる体温は37度です。
37度を割り込んできたら何らかの異常があると判断されます。
簡単にいうと、人間と同じぐらいの体温になったら、犬には低すぎる体温になります。
また、犬の体温は、朝寝起きで測った時と夕方とでは体温に±1度の変化が生じます。
朝起きてからすぐは一番体温が低くなり、16~18時の夕方ごろに一番体温が高くなります。
犬の体温が低い原因は何!?
一般的に、犬の体温が平熱よりも上がる場合は、熱中症や風邪などが原因なることが多いです。
一方、体温が低い原因となるのは、主に病気に負けそうな状態のサインで、それだけ体の機能が低下していることを示すことから、大まかに次の4つの原因が考えられます。
外の寒さによるもの
外で犬を飼っている場合、寒い冬の時期にその寒さが原因となって体温が低い状態になることがあります。
特に、体力が弱っている犬や老犬の場合は、冬の時期だけでも外で飼うのは避けた方がいいです。
運動不足によるもの
犬の体温が低い原因に、運動不足もあげられます。
犬も運動をすれば体温が一時的でも上がります。
愛犬の平熱を把握して、健康体ならしっかり運動させましょう。
老化によるもの
犬も老化してくると、自力で体温を維持することが難しくなり体温調節ができなくなります。
それが原因となって、体温が低い状態になることがあります。
老犬の場合は、飼い主さんがサポートしながら体を暖めるなどの工夫が必要になってきます。
病気によるもの
犬の体温が低い原因には、室温や内面的な影響によって表れる場合も多いですが、見逃せないのが病気によるものです。
犬の体温は、病気によって発熱することもあれば、病気によって低体温になることもあります。
犬の体温が低い状態は、場合によって怖い病気が原因になっているかもしれないので注意が必要です。
犬の体温が低いとどんな症状がでる!?
犬の体温が低い状態には、低体温症があります。
低体温症は、体温が低いだけではなく他の症状が出る場合があります。
低体温症による症状
・元気がない
・体を触ると冷たい
・肉球が異常に冷えている
・食欲がない、エサを欲しがる様子がない
・体を震わせる
・呼吸が浅い、呼吸がゆっくり
また、体温以外の症状が見られないからといって安心はできません。
症状がなくても軽度の低体温症になっているケースもあります。
体温が平熱よりも低いということは、犬自身も衰弱していることが多いので、飼い主さんが注意深く様子を見る必要があります。
犬の体温が低い時に考えられる病気
犬の体温が低い時に考えられる病気には2つあります。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)は、甲状腺ホルモンという、喉にある甲状腺から分泌されるホルモンの機能が低下することで起こる病気です。
この病気にかかると、体温が低い状態になり寒さに弱くなります。
甲状腺機能低下症の症状には、他にも、動作が鈍くなったり、甲状腺ホルモンの低下で毛の新代謝が滞ることで、簡単に毛が抜けてしまうこともあります。
他にも、顔にむくみや心拍数と血圧の低下などがみられることもあります。
尿毒症
尿毒症は、腎臓の機能が衰えてしまい、老廃物や毒素をスムーズに排出できなくなることで、血液中にたまって全身に異常をきたす病気です。
尿毒症の症状には、体温が低い症状をみせることがあります。
他にも、疲れやすくなったり、食欲不振、嘔吐、下痢、脱水、アンモニア臭の口臭、尿が出ない、けいれん、昏睡状態などがあります。
尿毒症の初期症状には、無症状の場合もありますが多量に水を飲んだり、色が薄い色の尿を多量に排出するという症状が見られることもあります。
尿毒症は、症状がゆっくり現れると、飼い主さんも気づきにくい点があるので注意が必要な病気です。
犬の体温が低い時の対処法
犬の体温が低い時の対処法は、暖房の温度設定などで調整して冷えすぎないようにしてあげしましょう。
暖房の暖かい空気は、部屋の天井に昇っていくので、寒い日は愛犬が過ごす人間の足元に暖かい温度が行くように調節してあげます。
温度設定は、私たちが快適に感じる温度より1~2度程度高めに設定するのがベストです。
ただ、暖房の風が愛犬にあたりすぎると、目や喉の換装の原因になるので風向きにも気を配ってあげてください。
寝床は、すきま風が入らない場所に用意したり、毛布を床に敷いてあげたりするとより冷気から守ってあげられます。
水を40度ぐらいのお湯にしてペットボトルに入れ、湯たんぽ代わりにして温めるのも効果的です。
もちろん湯たんぽでもOKですが、どちらを使うにしても必ずタオルなどで巻くようにしてください。
また、室内でも防寒着を着せて過ごさせたり、エサを温めてあげたり体温を逃さない工夫をしてあげましょう。
普段から出来る犬の低体温の予防法
犬の低体温を予防するには、基本的に防寒対策が中心になります。
長い時間寒い場所や冷える場所で過ごさせないことです。
特に、まだ体力のない子犬や老犬などは、自分の力で体温を上げることができにくいので、暖房をうまく使ったり防寒着を着せるなどして体温が下がるのを予防しましょう。
また、犬の毛本来の防寒性を高めるために、こまめにブラッシングして毛の汚れや毛玉を取り除いてあげるのも大切なことです。
まとめ
犬は暑がりという印象が強いので、体温の低下はあまり気にしていなかった飼い主さんもいると思います。
犬の体温は高すぎても低すぎても病気や命に関わることもあるので、体温と同時にいつもとは違う様子を見せたら動物病院を受診しましょう。
では、この記事をもう一度振り返っておきます。
☑犬の平熱の平均は、38.5~39.5度が正常範囲の数値
☑犬の体温が低いといわれる体温は37度
☑犬の体温が低い原因
・外の寒さによるもの
・運動不足によるもの
・老化すると体温調節ができなくなる
・病気によるもの
☑犬の体温が低いときの症状
・元気がない
・体を触ると冷たい
・肉球が異常に冷えている
・食欲がない、エサを欲しがる様子がない
・体を震わせる
・呼吸が浅い、呼吸がゆっくり
☑犬の体温が低い時に考えられる病気
・甲状腺機能低下症:体温の低下、動作が鈍くなったり脱毛、顔のむくみ心拍数と血圧の低下などの症状が出る
・尿毒症:体温の低下、疲れやすい、食欲不振、嘔吐、下痢、脱水、アンモニア臭の口臭、尿が出ない、けいれん、昏睡
☑犬の体温が低い時の対処法
・暖房の温度調整や毛布、40度ぐらいの湯たんぽを使う、防寒着を切る、エサを暖めるなどして体温を逃さない
☑犬の低体温の予防法
・基本的に防寒対策が中心。犬の毛本来の防寒性を高めるためにブラッシングする
愛犬の平熱を知っておくことは、愛犬の健康維持には役立ちます。
平熱を記録して愛犬の体の異常を早期に気づけるようにしてあげたいですね。
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